『上を下へのジレッタ』 2017.06.19千穐楽公演

妄想歌謡劇『上を下へのジレッタ』が6月19日に千穐楽*1を迎えました。
この一か月半、横山さんのファンとして、本当に、夢のような日々でした。この夢が終わってしまうことがとても受け入れがたく、残る公演数を指折り数えては、カウントダウンの数字が増えたらいいのに…爆発して初日に巻き戻ればいいのに…と妄想したものです。現実はもちろん平常運転でしたが…。


初日から繰り返されてきた『つづく…』と『おしまい』。けれど今日で、本当にジレッタが閉じられてしまう……。覚悟していたとはいえ、ラストの『おしまい』を見た瞬間は胸が潰れそうでした。湧き起こる拍手は今まで聞いた中でいちばん大きなものだった。

下りた幕が再び上がり、舞台が黄色い照明に彩られ、『上を下へのジレッタ』のイントロが流れる。悪夢のような終わりから現実へと橋渡ししてくれる、この明るいカーテンコールが私は大好きだった。
アンサンブルの皆さんから順番にキャストの方々が登場。どの方も笑顔だった。タカ鹿さんは確かガッツポーズをされていた。ハマケンさん、しょこたん、と続いて最後に横山さんが舞台奥から現れる。(そういえば横山さんの登場時にいつも照明が青色に変わるのは、ジレッタに飲み込まれた門前が横山裕として現実に帰還したことを表現しているのかな?と思ってるんですが、どうなんでしょうね) このとき、ラストシーンで落ち切れなかった一片の銀吹雪が、横山さんが通るために開けられた一人分の空間に狙ったかのようにひらひらと落ちてきた。まるでジレッタが横山さんにお別れを告げてるみたいだと、そんな柄にもないことを考えてしんみりした。舞台中央に進んで客席に手を広げる瞬間はその日その回の公演を無事に終えられたことに対する安堵を滲ませた表情をしていることが多かったけれど、この日の横山さんの表情は少し硬く、まだ門前が抜けきっていない様子だった。両手をパッと開いてキャストを指し示す後ろ姿、からの、正面に向き直って手を上から下へ振り下ろす(横山さんがよくする)動作。この一連の流れ、何度見ても堪らなかった…。


3回目のカーテンコールで挨拶。(以下、メモを取ってないことに加えて私自身泣きすぎて記憶がしっちゃかめっちゃかなので、雰囲気で…)

「ありがとうございました!立ち見の皆さんもありがとうございました。
 皆さんのおかげで、無事、今日の千秋楽公演を終えることができました。
 稽古を入れると3か月……なんかあっという間やった気もしますし、でもしっかり時間は経ってて……。本当に、プレッシャーもあって、挫けそうになったときもありましたが、キャストの皆さんやスタッフさんに助けていただいたり、皆さんの拍手に本当に力をもらってました。本当にありがとうございます。


 なんか…この3か月が僕のジレッタやったんかな?とかそんなことも思ったり……。すごく濃密な時間でした。
 明日から公演がないのがさびしいんですけど、皆さんの心の中でジレッタは生き続けると思いますので、ジレッタのこと、覚えていてください。


 (下手前列より)タカ鹿さん、銀さん、ユイカちゃん、ハマケン、しょこたん、竹中さん、馬場くん、…最初○○した玉置さん。(玉置:言うなよ!笑)
 そしてアンサンブルの皆さん!(下手後列より一人ずつ、普段のあだ名で呼んでいく。最後の方に向かって)名前なんやったっけ?……うそうそ、ちゃんと覚えてるよ。ありがとうね。


 そして、ジレッタをこんな素晴らしいものにまとめてくださった倉持さん。(下手より倉持さん登場、中央へ)


 本当に皆さんありがとうございました!……ジレッタ最高ー!ありがとうございました!!また会いましょう!!」

ま、また会いましょうとは…?!と若干動揺しつつ、東京楽でも言っていた「ジレッタ最高」という言葉を、いっそう力強い響きで再び聞けたことに感動した。金吹雪が舞う中、笑顔で手を振るジレッタカンパニー。まぶしい光景だった。


『上を下へのジレッタ』に合わせて手拍子は続く。
幕が上がり、4回目の挨拶。

「もう一回言っていいですか?ジレッタ最高ーー!
 本当に、最高のカンパニーです!皆さん、これからも応援してください。
 ジレッタ最高!やりきったぞーー!ありがとうございました!!」

両手でピースを作ってぴょんぴょんと無邪気に跳ねる横山さん。自分の努力をめいっぱい肯定する言葉が聞けて、とにかく感無量だった…。


いつしか曲が終わり、手拍子は拍手へと変わった。拍手は止まなかった。私も、終わってほしくなくて、少しでもこの時間が続いてほしくて、拍手を続けた。心のどこかで「横山さんなら…」と期待している自分がいた。そしてもう一度幕は上がった。
舞台には横山さん一人。開口一番、「………もう、どんなん欲しいの~?」と言った。これには、もう、ファン心を隠せず歓声を上げてしまった! この、胸をぐっとわし掴みされる感じ…! 横山さん、わかってくれているんだな…と思った。

「ありがとうございます。本当にプレッシャーもあって……苦手な歌やし。本当にいろんな方に助けていただきました。」

………この最後の挨拶だけは、横山さんが自分のファンに向けたものだと思った。私がそう思いたかっただけかもしれないけれど、今だけは、横山さんとファンの時間だと。客席の大半を自分(ないしグループ)のファンが占めること、ファンが何度も観に来ることを、横山さんはどう思ってるんだろう…?と、私自身呆れるほど観劇回数を重ねながら一方でそのことがいつも気がかりだった。だから、最後の最後に、他でもない横山さん本人にファンの存在を認めてもらえたようで、嬉しかった。
とはいえ、一般の方も少なからずおられる場でこんなファンばかりが嬉しい時間があってもいいものなのかな……と恐縮する気持ちがないわけではなかったので、ハマケンさんと玉置さんが舞台袖からひょっこり姿を現したのには安心した。ハマケンさんに気付いた横山さんは「なに見てんねん」と笑って手招きし、そしてハマケンさんとぎゅっと抱擁を交わした。…序盤の公演のうちから、山辺に対しては横山さんの演技や歌に遠慮がなく、これは中の人のことを随分信頼しているんだろう…とは感じていた。けれど私が思っていた以上に、ハマケンさんの存在は横山さんにとって大きな支えになっていたんだろうなぁ…。この日何度も口にしていた“プレッシャー”を想像し、また、初日のインタビューで横山さんの低音を褒めていたハマケンさんを思い出して、山辺役が浜野謙太さんでよかった…と心から思った。(ハマケンさん以外の山辺なんても最早想像できないけど!)

もうすっかり横山裕に戻っていた横山さんは、最後は客席に向かって穏やかに、照れくさそうに笑って手を振っていた。幕が下り始める。
そのとき、舞台袖からしょこたんが現れ、ハマケンさんにわっと飛びついた。門前から横山裕に戻って手を振る横山さんの後ろで、山辺とチエ、オンちゃんきみちゃんになってくるくると抱き合う二人。彼らを見守るジミーマネージャーの扮装をした玉置さん。そんな、虚構と現実が混じり合った不思議な光景でジレッタの幕は完全に下りた。最後の最後に『おしまい』の先にある幸せな『つづき』を見させてもらった気がした。


妄想歌謡劇『上を下へのジレッタ』全41公演、お疲れさまでした。

*1:横山さんのレンジャーがこの表記なので