ジレッタ東京公演を振り返って

6月4日、『上を下へのジレッタ』東京シアターコクーン公演の幕が降りました。
大阪公演が始まる前に、東京公演中に思ったことをつらつらと。(感想ではなく、横山さんについて感じたことを主に)



5月7日、初日。とても緊張した。当たり前だけど、会場に集まった人たちの誰もがまだ何も知らないんだ……そんなことを考えてはソワソワした。公演前に何人かとお話させていただきましたが、皆さん揃って「横山さんが歌って踊る……緊張するけど楽しみ……楽しみだけど、でもやっぱりドキドキする………><」といったことを仰ってた。私ももちろん同様です。

時間がきて、え、ほんとうに今から始まるの?!と実感もなにもないまま幕が上がった。中央に横山さんがただ一人立っていた。そして、歌い始めた。…そう、今回の舞台で、横山さんは歌って踊るのだと、そのためにボイトレも受けたのだということは前情報として確かに知っていた。けど、まさか、初っ端からこんなに歌うとは思ってなくて。…思ってなくて! と、内心でアワアワしている間も舞台上で横山さんが歌っていた。アンサンブルの方々を左右に従えて、真ん中に立って、踊っていた。こ、これはまるで…ソロコンサート……! そうだ、横山さんはセンターに立っても遜色ない、華があって、こんなにも輝く人だった。

以前も書いたんですが、横山さんのファンをしていると「ああ、この人にずっと騙されていたい」と思う瞬間があって、私は、そう思うときがいちばん「横山さんのことが好きだ」という確信を得られるんです。“担当”の定義は人それぞれあると思いますが、自分にとって思い当たるものがあるとすれば、きっとそれなんだと思います。すべて嘘(かもしれない)と承知したうえで、騙されたい。この人に。…最後まで。
驚いたのが、まさにこの通りの歌詞がジレッタで歌われていたことでした。
というのは自己都合もいいところの解釈かもしれませんが、冒頭の歌の歌詞を頭が理解したとき、本当にびっくりしたんです。その歌は、横山さん演じる門前がテレビが作り物であることを明らかにしつつ、大衆の求める“夢”や“幻想”をテレビの中では叶えてやる、といった内容で、テレビディレクターである門前の矜持を示すものでした。歌う門前の向こう側に、横山さんが透けて見えました。「それが何?」「上手に騙せ」と夢を求めるファンに、「見事叶えて差し上げましょう」と答えるアイドル横山裕が。客席にいながら私は、一ファンである自分と目の前に存在するアイドルが点と点で一直線に結び付けられるような感覚に、思わず目が眩みました。


これはもう限界まで通おう。初日を見た後そう決心し、大阪に帰ったその日のうちにセブンのコピー機を叩いて立見券を購入したのでした。(誰だよ瞬殺とか言ったの…買えるやないか……)


結局、東京へは5回ほど遠征したわけですが、おかげで演出のテコ入れやカンパニーの成長を段階的に追うことができました。カンパニーの士気の高さはキャストの皆さんのツイッターなどからも窺えましたが、実際に観劇しても、ジレッタをより良いものにしていきたい!といった熱量が毎回舞台から伝わってきました。その先頭にいるのが座長である横山さんなのだと思うと胸があつくなった。
歌についていうと、横山さんのそれは他のキャストの方々と比較するとどうしても実力不足は否めませんでした。それでも、初めて聞く歌い方、声の響き方に、きっとボイトレも真面目に取り組んでるんだろうな…ということが窺えて嬉しくなった。(だって、あの横山さんが!ボイトレを受けて!一人でこんなにも歌うなんて…!!) 横山さんのパートは関ジャニ∞で歌っているものより全体的に低めだった。(これはジレッタが低いというより、エイトの楽曲のキーが高めなんだと思う) 横山さん、低音だとこんなふうに歌うんだな…と、初めて聞く歌声にまた感動した。グループの中だけでは、この先も知らないままだったかもしれない。
序盤の公演は「歌うこと」そのものに構えてしまっている感じがあきらかに見え、歌になると途端に演技がブツッと途切れる感じがあった。回を重ねるうちに構えがなくなり、歌がどんどん自然になっていった。中盤あたりからは歌に込められた感情が確かに感じられるようになった。横山さんの独りよがりではなく、門前として、思いを伝えたい相手に向けて。嬉しい成長だった。
……推測するに、公演中も歌唱指導が随時入っていたのではないかと思います。横山さんの歌は、今までのそれとは違った歌い方(意識をしているポイントがあきらかに違う)になることが度々あって、そういうときは歌声が少し固く、演技が多少後手になってしまっている印象でした。その次に観たときには歌が自然になっていて、またさらに感情が乗るようになって………そんなふうに、歩みは少しずつかもしれない、けれど横山さんが着実にステップアップしていってることが感じられた。作曲を担当された宮川彬良さんがパンフレットで述べられている「伸び率がすごく高い」という横山さん評は、多少お世辞も入ってるのかな?なんて当初は思ったけれど真実なのかもしれないなぁ、と思うようになった。もちろん、スタート地点が他の方より手前であった分の伸び幅もあるかと思いますが、30後半にしてこんなふうに成長する姿を見られるなんて、思ってもみなかった。メンバーにも見てほしいと思った。見てほしかった。


初日からはほんとにあっという間で、気づけば東京千秋楽…という感じでした。6月4日。とてもいい天気だった。
東京の最後となる公演は、緊張感がありながらも、キャスト一人一人の気合が最初から最後までビシバシ伝わってくる良い公演でした。アンサンブルの方々の一丸となった声の音圧が今まででいちばん強く体にぶつかってきて、それだけで泣きそうになった。前日3日のソワレも観劇したんですが、横山さんの歌は前日からさらに良くなっていました。冒頭からよく声が出ていたし、(おそらく指導が入って)固くなっていた部分を力技で自分のほうに引き寄せて歌い上げていた、そんな印象でした。…というか、正直ここまでくると技術的な部分は二の次で、あの人が、臆せず、堂々とした佇まいで歌を歌っているそれだけでただただ嬉しくて涙が出ました。センターで歌い上げる『虚構の共犯者』(特に二幕のリプライズ!)、文句なしにかっこよかった…!
ジレッタは見ている側も本当に楽しくて、だから時間が経つのも早くて……最後の今日だけは時間がゆっくり進めばいいのに、と思ったけどまぁあっという間でした。物語の最後、門前が舞台の上から消えたその瞬間、全身を絞られるような息苦しさに襲われました。二年前、東京でブルームーンを最後に見たときも、終幕の暗転の瞬間にまったく同じ感覚に襲われたことを思い出しました。疲労と達成感と、さみしさ。

カーテンコール3回目。横山さんの挨拶。
(メモは取ってないので、ざっくりと)

「ありがとうございました!皆さんのおかげで、東京、文化村公演、無事に千秋楽を迎えることができました。

 銀さん、竹中さん、ハマケン、しょこたん、玉置さん、ユイカちゃん、馬場くん、タカ鹿さん、アンサンブルの皆さん………本当に素敵なカンパニーです。
 そして、このジレッタを素敵にまとめてくださった、倉持さん!(下手より登場、横山さんの隣へ)

 皆さんから拍手をたくさんいただいて、力をもらってました。僕らの自信につながりました。本当にありがとうございました。

 東京はこれで終わりますが、自信をもって、大阪へ行ってきます。…大阪でジレッタを見せつけてきます!
 本当に皆さん、ありがとうございました!!」

横山さんの挨拶が終わるとすたすたすたーと去ろうとする倉持さん。慌てて呼び止める横山さんw(倉持さんは下手の端に落ち着いて幕が下りるまでいらっしゃいました)

ああ、本当に終わってしまうんだ………ちっとも実感が湧かないまま、EDの曲に合わせて手拍子を続けました。いつしか恒例になっていたこの手拍子は、もう一度出てきてくれることを期待してというよりは、客席の誰もが少しでも長くジレッタに浸っていたくて、曲が終わる最後の瞬間まで客席一体となって楽しもう、という感じがして愛しい時間だった。そして曲が終わって湧き起こる大きな拍手こそ、最大級の称賛が込められているように思えた。
この日も曲が流れる限り手拍子は続いた。そして、曲がEDに差し掛かって「ああいよいよ終わりなんだな…」と覚悟したそのとき、不意に幕が上がった。舞台の中央には、横山さんが立っていた。
ああ、横山さんだ。
このとき、強烈に思いました。忘れていたけれど、こんなふうに応えてくれる人だった。
横山さんの斜め後ろにはしょこたんがいて(ど、どうすれば…?といった感じで横山さんと舞台袖の様子を窺っていた)、ぱらぱらと、気づけばキャストの皆さんが再び舞台上に勢ぞろいした。馬場さんが遅れて登場されていた様子からも、きっと、横山さんの判断なんだと思った。

「ありがとう!ジレッタ最高ー!」最後に横山さんはそう言いました。自信に満ち溢れた表情と声だった。そう思っていることは演技からも十分伝わっていたけれど、横山さんの口から直接この言葉が聞けてほんとうに嬉しかった!


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東京全30公演、お疲れさまでした。

そして今日が大阪公演の初日。残り11公演、最後まで無事に走り抜けられますように。
大阪でも見せつけてくださいね。